ヘアカラーで起こるのは、アレルギー性皮膚炎「化粧品皮膚炎(化粧品かぶれ)」。

カラーリング剤の中でも、一般的に白髪染めやおしゃれ染めと言われる「酸化染毛剤(染毛剤/ヘアカラー)」は、髪にしっかりと色を定着させ、色持ちがよい反面、まれに、人によってはかぶれを起こすことがあります。

これは「酸化染毛剤」の主成分である「酸化染料(ジアミン系染料)」が原因のアレルギー反応によるものです。

花粉症や薬アレルギーなど、他のアレルギー反応と同じく、一度「酸化染毛剤」でかぶれた人は、体内に抗体ができてしまい、再びヘアカラーを使用すると、よりひどいアレルギー反応を起こしてしまいます。

また、今までかぶれたことがない人でも、ある時突然かぶれが出たりします。

 

さらにアレルギーだけではない

パラフェニレンジアミンの危険性も

化学的根拠についてはこちら

 

独立行政法人

製品評価技術基盤機構より

 

物理化学的危険性、健康に対する有害性:政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7 版)

環境に対する有害性:GHS改訂4

 

本物質の遊離体であるパラフェニレンジアミンの情報として、ヒトで摂取により、呼吸困難から、顔面、首、舌または咽喉に浮腫を生じ、時に血中CPKの上昇、乏尿、尿細管変性がみられ、横紋筋融解症となり最終的に急性腎不全に至った症例が、死亡例を含め複数の報告がある(DFGMAK-Doc.6(1994))。マウスにパラフェニレンジアミンを70 mg/kg bwを経鼻胃管投与後、24時間以内に血中CPKの有意な上昇、24時間後に急性横紋筋融解と骨格筋の極細線維の壊死が観察された(DFGMAK-Doc.6(1994))。以上からヒトおよび動物の知見に基づき、区分1(心臓、筋肉、腎臓)とした。

 

 

本物質の遊離体であるパラフェニレンジアミンを含む染毛剤を使用したヒトの症例として、肝腫大と脾臓肥大および進行性神経障害の発症(ACGIH (2001))、5年間に亘る職業ばく露で、黄疸と肝臓の亜急性萎縮により死亡した例(ACGIH (2001))、消化器と神経症状が観察された例、中枢神経系に病理学的変化が認められた例(DFGMAK-Doc.6(1994))、その他に慢性腎不全、尿毒症、腎臓の極小化、糸球体の硝子化を伴い死亡した症例(DFGMAK-Doc.6(1994))や、乏尿、脈管炎、筋痛、腎臓肥大、糸球体腎炎を発症し死亡した症例(DFGMAK-Doc.6(1994))などの報告から区分1(肝臓、神経系、腎臓)とした。また、動物試験では、ウサギにパラフェニレンジアミンを90日間の経口投与し、10 mg/kgの用量で心筋実質の変化(浮腫、筋線維の膨化、細胞質の均質化、横紋の消失)が認められ(ACGIH (2001))、2塩酸塩としても用量は区分2のガイダンス値内相当であると思われることから区分2(心臓、筋肉)とした。以上より、分類結果は区分1(肝臓、神経系、腎臓)、区分2(心臓、筋肉)となる。